実習レポートと選挙権行使2017年10月12日 07:53

<実習レポートと選挙権行使>

 つばさのホームページに「実習レポートと選挙権行使」を掲載しています。
実習生がたまたま目にした成年被後見人Mさんの選挙権行使についてちょっと触れています。

http://www.ne.jp/asahi/hama/tubasa/tyousa.html

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 特定非営利活動法人よこはま成年後見つばさでは、毎年担当者養成講座を開催しています。そのカリキュラムの中に実務実習があります。実務指導員と同行訪問してもらいます。実習生にはレポート提出を義務付けています。その中に選挙権行使のレポートがありました。

<実習レポート>
 担当の Hさんと駅で待ち合わせて、被後見人 Mさんのグループホームに行く。これから市長選の期日前投票に行き、それからつばさが開催する音楽会に参加することになりました。Mさん、にこやかにさわやかに落ち着いている。投票に行くということに少し驚きましたが、時間もかからずすぐに出口から出て来られました。

 駅から乗車券を購入する時は、Hさんが 180円ですと言うとご自分でしっかり出来ていました。エスカレーターは、動きが怖いというのでエレベーターで移動しました。音楽会の会場に到着するとご自分からトイレに行きますと言って用をたしました。会場では、何処に座るのかわからないので、声を掛けてどうぞここにと言うとスムーズに座ることができました。音楽会では、楽器など上手に使い楽しんでいました。

 普段は、作業所の喫茶部でケーキを作ったり、コーヒーを出したりして働いている。50歳を過ぎてから、編み物を始め上手だということ。休みの日は、ディズニーランドや八景島などにガイドヘルパーさんと遊びに行くのを楽しみにしている。ぬいぐるみが好きで、たくさん持っていると楽しそうに話をしていました。Mさんは、今の生活が充実し、楽しんでいるように感じました。担当の Hさんは、Mさんがどうしたら生活が充実し、楽しめるだろうかと言うことをご本人の希望を聞いて、組み立てている。Mさんには、ほんの少しの助けがあれば自分のことが出来る人なんだと感じられました。色々考えてプランを立てている担当の Hさんは、すごいと思いました。

<コメント>
 平成 27年 8月 26日に審判が出ています。本人申立の後見類型です。ご本人は、知的障害者の入所施設を利用してきましたが、社会参加の意欲が高いにも関わらず、十分には叶えられずにきました。家裁申立時、施設職員からは単なる財産管理ではなく福祉的配慮の出来る人を望みますとの意見書が出ています。

 また、調査官とのヒアリングでは、本人申立に話が及び調査官から区長申立してくれないのかと質問があり、施設職員からは4年前の施設入所時から相談してきたがやってもらえなかったと説明がありました。

 ご本人からは、入所施設より家庭的なグループホームに入りたいと希望が出ていました。また、「いらっしゃいませをしたい」(ウエイトレス)との願いもありました。後見人に就任後、同じ社会福祉法人が運営するグループホームと契約し、現在はそこで生活しています。念願叶って、作業所の喫茶部でウエイトレスも実現できています。つばさの余暇活動支援には、担当の Hさんとペアで参加する常連さんです。言うまでもなく奪還した選挙権の行使は重要です。(須田)

<参考>
成年後見制度による選挙権喪失は「違憲」、東京地裁判決/神奈川
神奈川新聞 2013年 3月 14日

障害を抱える娘への父親の切なる思いが司法を動かした。成年後見制度によって選挙権を奪うことを違憲とした14日の東京地裁判決。

「なぜ知的障害があると選挙ができなくなるのか。娘の大事な権利を取り戻さなければならない」。その一心で裁判を闘った名児耶匠さん(50)の父清吉さん(81)は全面勝訴に「胸のつかえが取れた」と目を細めた。

◆「法改正へ議論を」「乱用」懸念の声も
「違憲判決は当然。法改正に向けた議論を深めてほしい」。知的障害者を支援する立場で成年後見制度と向き合ってきた県内の関係者からは、東京地裁が下した判断を称賛する声が相次いだ。一方で「選挙権の乱用」を懸念する意見もあり、成年後見制度のあり方をめぐる今後の議論の行方に関心が集まっている。

 成年後見制度に詳しい横浜弁護士会の延命政之弁護士は「知的障害者の中には、選挙への参加を自己実現と位置づけている人もいる」と、判決の妥当性を強調。財産管理と政治参加の判断能力は別問題だからで、「2000年の導入以来見直されていない同制度の改正につながる」との見解を示した。

 「利用者や支援者は、この判決を待ちわびていた」と声を弾ませるのは、「成年後見事務所アンカー」(横浜市青葉区)の須田幸隆代表。社会福祉士らメンバーが後見人として障害者を支えてきたが、同時期にスタートした介護保険に比べ知名度の低さを痛感してきただけに「制度の理解を深める国民的議論の呼び水となる」と期待を寄せた。さらに、財産管理に偏りがちな制度の現状を踏まえ、「意思決定能力を支援する前提で、制度のあり方を考える議論につながってほしい」と話した。

 一方、横浜弁護士会「高齢者・障害者の権利に関する委員会」委員長を務める内嶋順一弁護士は慎重姿勢だ。個人的見解とした上で「理論上は判決に賛成だが、両手を挙げて万歳というわけではない」と指摘。障害者施設の職員が利用者の投票を誘導した過去の事例を引き合いに、「選挙権の乱用」を危惧した。

 内嶋弁護士は、勝ち取った判決が“悪用”されないため、被後見人が自分の意思で決められる環境整備を支援者側の「義務」とするなどの対策が必要と訴えた。

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